競合分析のやり方|3ステップとフレームワークの使い分け
競合分析のやり方を、決める・集める・比べるの3ステップで解説します。比較する軸の決め方、使えるフレームワークの選び分け、そのまま使える比較表のかたち、分析を打ち手につなげるまでを実務に沿ってまとめました。
著者:商陣編集部
競合分析をやろうとして、まず競合のサイトを開いて情報をコピーし始める。この入り方をすると、数時間経っても終わらず、集めた情報の使い道も見つかりません。原因は順番にあります。
この記事では、競合分析を「決める・集める・比べる」の3ステップに分けて、それぞれで何をするかを具体的に解説します。フレームワークの使い分けと、分析を打ち手につなげるところまで含めてまとめました。
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リアンカーの公式ページを見る分析が終わらない原因は「集める」から始めること
競合分析でいちばん多い失敗は、何を判断したいのかを決めないまま情報収集を始めることです。判断軸がないと、目に入った情報を片っ端から集めることになり、量だけが増えていきます。
そして集め終わったころには、何のために始めたのか分からなくなっています。整った比較表はできたけれど、それを見て何をするのかが決まらない——という状態です。
順番を変えるだけで、この問題はかなり解消します。先に「何を判断したいか」と「比べる軸」を決めてしまえば、集める情報は自然に絞られ、比べた結果がそのまま判断につながります。
ステップ1:決める(30分)
最初の30分で、目的・軸・対象の3つを決めます。ここが決まれば、残りの作業は機械的に進みます。
判断したいことを1つ書き出す
「競合を知りたい」は目的ではありません。「値上げしても大丈夫か」「この機能を作るべきか」「営業の切り返しトークをどう用意するか」——このくらい具体的にします。
2つ以上あるなら、2回に分けてください。目的が複数あると軸が混ざり、どちらの判断にも使えない表ができあがります。
比べる軸を3〜5個に絞る
軸は目的から逆算します。価格の判断なら価格体系・最低契約期間・値引きの余地。機能の判断なら機能の有無・実装の深さ・対応している業種。10個並べても読まれないので、5個までに抑えます。
対象を3〜5社に絞る
実際に商談で当たる相手から選びます。「気になる会社」ではなく「失注の理由になった会社」を優先すると、分析の実用度が上がります。営業に直近半年の失注先を聞くのが最短です。
対象を決めたら、その企業を監視ツールに登録しておくと、次回以降の「集める」がほぼ不要になります。商陣が開発しているリアンカーなら、登録した競合の発表が毎朝まとめて届きます。無料プランで3件まで試せます。
リアンカーの公式ページを見るステップ2:集める(2〜3時間)
決めた軸の情報だけを集めます。軸に関係ない情報は、面白そうでも拾いません。
一次情報を優先する
まとめ記事や比較サイトではなく、競合の公式ページ、プレスリリース、ヘルプ、料金ページを見ます。二次情報は古いことが多く、条件が抜けていることもあります。
特に価格は要注意です。比較サイトに載っている金額が現在の価格とずれているケースは珍しくありません。必ず公式の料金ページで確認してください。
情報源ごとに何が取れるか
| 情報源 | 取れるもの | 注意点 |
|---|---|---|
| 料金ページ | 価格体系、プラン構成、最低契約 | 掲載されていない条件がある場合も |
| 機能一覧・ヘルプ | 機能の有無、実装の深さ | 書かれていても実用に耐えるかは別 |
| 導入事例 | 狙っている顧客層、規模感 | 成功例だけが載っている前提で読む |
| プレスリリース | 新機能、提携、調達、体制 | 発表日と実行日がずれることがある |
| 更新履歴 | 開発の頻度と方向 | 公開していない企業もある |
| 求人ページ | 今後投資する領域 | 推測が入るので断定しない |
日付とURLを必ず残す
半年後に見返したとき、いつ時点の情報かが分からないと使えません。取得日とURLをセットで記録してください。価格やプランは変わるので、この記録が後から効いてきます。
ポイント
2回目以降の分析では、この「集める」工程がいちばん軽くなります。日常的に監視の仕組みを回していれば、直近の変化はすでに手元にあるからです。分析を年に何度もやるなら、監視を先に整えるほうが総時間は短くなります。
ステップ3:比べる(1時間)
集めた情報を軸ごとに横並びにします。ここで凝った資料を作る必要はありません。
そのまま使える比較表のかたち
| 軸 | 自社 | A社 | B社 | 差の意味 |
|---|---|---|---|---|
| 価格(月額) | ◯◯円 | ◯◯円 | ◯◯円 | 安い層でどこと当たるか |
| 最低契約期間 | なし | 1年 | なし | 解約しやすさは訴求になるか |
| 対象規模 | 中小 | 中堅〜大手 | 中小 | 顧客層が重なるのはどちらか |
| 主要機能の差 | — | ◯◯あり | なし | 商談で聞かれる可能性 |
| 直近の動き | — | 6月に調達 | 動きなし | 今後半年で何が起きそうか |
重要なのは右端の列です。事実を並べただけでは判断できません。「この差があるから、うちはこう動く」という解釈を1行だけ添えてください。全部の行に書く必要はなく、差が出ている行だけで十分です。
自社の欄を必ず入れる
競合だけを並べた表は、意外と使えません。自社を同じ軸で並べて初めて、どこで戦えていてどこで負けているかが見えます。自社の欄を埋めるときに、社内でも認識がずれていることに気づく場合もあります。
フレームワークの使い分け
競合分析のフレームワークは数多くありますが、全部を使う必要はありません。目的に対して1つ選べば十分です。
| フレームワーク | 向いている問い | 使いどころ |
|---|---|---|
| 比較表(機能・価格) | 商談で何を聞かれるか | 日常。いちばん使用頻度が高い |
| 3C | 自社はどこで勝てるか | 年1回、方針を見直すとき |
| SWOT | 強み弱みをどう扱うか | チームで認識を合わせるとき |
| ポジショニングマップ | 市場のどこが空いているか | 新製品や訴求を考えるとき |
| ファイブフォース | この市場は儲かるか | 新規参入を検討するとき |
フレームワークを埋めること自体が目的になると、時間だけが消えます。「この枠を埋めたら何が分かるのか」を先に確認してから使ってください。分からないなら、その枠は今回不要です。
やりがちな3つの遠回り
時間がかかる分析には、共通した遠回りがあります。心当たりがあれば、そこを削るだけで半分の時間で終わります。
遠回り1:競合の全機能を一覧にする
機能を100項目並べた表を作っても、商談で聞かれるのはそのうち5つ程度です。全部を埋めようとすると数日かかり、しかも1か月で古くなります。
実際に聞かれた機能だけを営業から集め、その項目だけ比較してください。項目は増やすものではなく、聞かれた実績で足していくものです。
遠回り2:資料の体裁を整える
配色を揃え、図を作り、ページを整える。ここに数時間かけても、判断の質は上がりません。表と1行の見立てがあれば、判断には十分です。
整った資料が必要になるのは、社外や経営会議に出すときだけです。その場合も、判断が決まってから清書すれば足ります。
遠回り3:情報が古くならないよう常時更新する
毎週表を更新しようとすると、それだけで作業になります。日々の変化は監視の通知で受け取り、表への反映は月1回まとめてで構いません。
商談の直前に最新かどうかが気になるなら、表そのものより「直近の動き」の欄だけ見るようにしてください。そこが新しければ、全体が古くても実用に耐えます。
分析を打ち手につなげる
比較表ができたら、そこから何をするかを決めます。ここまでやって初めて分析が業務になります。
- 1差が出ている行を2〜3個選ぶ
- 2それぞれについて「やること」を1行書く
- 3追随しないと決めたものは「やらないこと」として明記する
- 4担当と期限を付ける
- 5次に見直す日をカレンダーに入れる
「やらないこと」を書くのがコツです。競合が持っている機能を全部追いかけると、自社の強みが薄まります。追わない判断を記録に残しておくと、次に同じ議論をしなくて済みます。
分析の頻度をどう決めるか
競合分析は毎月やる必要はありません。頻度を上げても、変わるものが少ないからです。
本格的な分析は四半期に1回
比較表を作り直し、軸そのものを見直すのは四半期に1回で足ります。市場の構造がそれより速く変わることは稀です。
差分の更新は月1回
監視で拾った変化を、既存の表に書き足すだけの作業です。30分で終わります。表を作り直すのではなく、更新するという発想にすると負担が減ります。
日々の変化は監視に任せる
毎日の発表や機能追加は、人が確認しに行くものではありません。通知で受け取り、重要なものだけ表に反映する。この分担にすると、分析にかける時間そのものが減ります。
「日々の変化は監視、節目に分析」という分担を作るなら、リアンカーのような仕組みを土台に置くと運用が軽くなります。拾った発表はクリップして残せるので、四半期の分析時にそのまま素材として使えます。
リアンカーの公式ページを見る競合分析の進め方チェック
- 判断したいことを1つに絞った
- 比べる軸を3〜5個に決めた
- 対象を3〜5社に絞った(失注先を優先した)
- 一次情報から集めた(比較サイトを鵜呑みにしていない)
- 取得日とURLを記録した
- 比較表に自社の欄を入れた
- 差が出ている行に「差の意味」を書いた
- やること・やらないことを決めて担当を付けた
まとめ:軸を決めてから集める
競合分析は、決める30分・集める2〜3時間・比べる1時間の順で進めれば半日で終わります。終わらなくなるのは、軸を決めずに集め始めたときです。
そして2回目からは、日常の監視が「集める」を肩代わりしてくれます。分析を続けるつもりがあるなら、先に監視の仕組みを整えておくほうが総時間は短くなります。監視の基本は競合監視とは?、レポートにまとめる形は競合分析レポートの作り方で扱っています。
よくある質問
Q. 競合の情報が公開されていない場合、どう調べればいいですか?
A. 料金を非公開にしている企業などは、公開情報だけでは埋まりません。その場合は、自社の失注案件で顧客から聞いた情報や、営業が商談で得た内容を記録しておくのが現実的です。推測で埋めず、「不明」と書いておくほうが資料としては誠実です。
Q. 比較表は誰に見せるのが正しいですか?
A. まず営業とプロダクトです。営業は商談で使い、プロダクトは開発の優先順位に使います。経営に見せる場合は、表そのものではなく「差の意味」と打ち手だけを抜き出したほうが伝わります。
Q. フレームワークを複数使ったほうが精度は上がりますか?
A. 上がりません。同じ情報を違う枠に入れ替えているだけになりがちです。1つ選んで、そこから出た問いに答えるほうが、判断に使える結論が出ます。
Q. 分析結果はどのくらいで古くなりますか?
A. 価格と機能は3か月で変わることがあります。市場構造やポジショニングは1年程度は持ちます。日々の監視で差分を拾っていれば、表の更新は月30分で済むので、古くなる前に直せます。
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