広報・PR2026年7月23日

自社・競合の掲載記事をまとめて追う方法|メディア露出の把握

自社と競合のメディア掲載をまとめて追う方法を、無料の手段から専用ツールまで比較しました。掲載を拾う3つの経路、記録の残し方、報告に使える形にまとめるまでの流れを実務に沿って解説します。

著者:商陣編集部

プレスリリースを出したあと、どこに載ったかを調べる作業。そして、競合がどこに取り上げられているかを追う作業。この2つは似ているようで、必要な精度が違います。前者は網羅性、後者は継続性が求められます。

この記事では、自社と競合の掲載記事をまとめて追う方法を、手段ごとに整理します。無料でできる範囲と、専用ツールに任せるべき範囲の線引きが中心のテーマです。

リアンカーPR TIMES・Google Newsから競合のリリースを自動で集め、毎朝まとめて通知する競合監視サービス。無料プランあり、スタンダードは月300円。

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掲載を拾う3つの経路

記事の掲載を知る経路は、大きく3つあります。それぞれ拾えるものが違うので、組み合わせて使うのが前提です。

経路拾えるもの拾えないもの費用
配信サイト経由の転載配信サイトが提携する媒体への転載独自取材による記事0円〜数百円
ニュース検索検索エンジンがインデックスした記事インデックスされない記事、紙媒体0円〜
クリッピングサービスWeb媒体を広くカバー、上位なら紙も対象外の媒体数千円〜数万円
料金・提供内容は2026年7月時点で各社が公開している情報をもとにした目安です。最新の条件は各サービスの公式ページで確認してください。

自社の掲載を「網羅的に報告する」必要があるならクリッピングが必要ですが、「主要な媒体での掲載を把握する」目的なら、上の2つで実務上足りることが多くあります。

情報源のカバー範囲マトリクス。PR TIMES、Google News、他の配信サイト、新聞・雑誌、SNSの5つの情報源に対して、専用ツール、無料アラート、クリッピングサービスがそれぞれどこまで拾えるかが示されている。
図:情報源ごとのカバー範囲。ツール選びは「媒体数」より「必要な情報源が入っているか」。

自社の掲載を追う

発表直後の3日間に集中させる

プレスリリースを出したあと、転載や報道が集中するのは最初の数日です。この期間だけ確認の頻度を上げ、それ以降は通常運転に戻す、というメリハリを付けると負担が減ります。

発表当日は即時通知、翌日以降は朝のまとめ通知。この切り替えができるツールなら、発表のたびに設定を変える必要がありません。

自社名の表記ゆれを網羅する

社名だけでなく、サービス名、代表者名、旧社名も監視対象にしてください。特にサービス名での言及は、社名が出ない記事でも拾えるため取りこぼしを減らします。

拾ったらすぐ記録する

掲載記事は、時間が経つとURLが変わったり削除されたりします。気づいた時点で、日付・媒体名・URL・タイトルを記録に残してください。可能ならスクリーンショットも一緒に保存します。

競合の掲載を追う

競合側は、網羅性より「どんな文脈で取り上げられているか」を見るのが目的になります。件数を追うより、内容を読むほうが価値があります。

どの媒体に載っているかを見る

業界専門誌なのか、一般のビジネスメディアなのかで、その企業が狙っている層が読み取れます。自社が接触できていない媒体があれば、広報活動の候補として控えておく価値があります。

取り上げられ方の傾向を見る

プレスリリースの転載が中心なのか、独自の取材記事が多いのか。後者が多いなら、記者との関係構築に力を入れている可能性があります。自社の広報戦略を考えるうえで参考になる情報です。

件数の推移を月単位で見る

毎月の掲載件数を数えておくと、競合の広報活動が活発化したタイミングが分かります。資金調達の直後に露出が増える、といった相関も見えてきます。

自社名と競合名をまとめて登録できる仕組みとして、商陣が開発しているリアンカーが使えます。PR TIMESとGoogle Newsから毎日集め、翌朝まとめて通知します。気になった記事はクリップして残せるので、月次の振り返りにも使えます。

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取りこぼしが起きやすい掲載

監視の仕組みを整えても、構造的に拾いにくい掲載があります。あらかじめ知っておくと、別の手段で補えます。

会員限定・有料記事

本文が会員向けに閉じている記事は、自動の収集では拾えないことがあります。主要な媒体については、月1回だけ媒体内で自社名を検索する習慣を持っておくと補えます。

PDFや資料内での言及

調査レポートや業界資料の中で紹介されるケースです。検索に引っかかりにくく、取引先から教えてもらって初めて知る、ということが起こります。関係者に「見かけたら教えてください」と一言頼んでおくのが最も効きます。

動画・ポッドキャストでの言及

テキストとして残らないため、自動では拾えません。件数は少ないので、優先度は高くありません。ただし業界で影響力のある番組があるなら、それだけは定期的に確認する価値があります。

SNSでの紹介投稿

ユーザーによる紹介は、営業資料や採用の場面で使える素材になります。専用ツールを入れるほどではないので、サービス名で週1回検索する程度の運用で拾ってください。

記録の残し方

集めた情報は、あとで使える形にしておかないと意味がありません。凝った仕組みは不要ですが、次の項目は残しておいてください。

項目なぜ必要か
掲載日時系列の推移を見るため。発表日とのずれも分かる
媒体名どの層に届いたかを判断するため
記事タイトル内容を思い出す手がかりになる
URL後から参照するため。削除に備えて保存も推奨
対象(自社/競合名)集計と比較のため
種別(転載/独自取材)広報活動の質を判断するため
この6項目があれば、月次レポートも年次の振り返りも作れる。

ツールにクリップや保存の機能があるなら、まずそれを使ってください。別のスプレッドシートに転記する運用は、忙しい月に必ず止まります。CSVで書き出せるなら、月末にまとめて出す形が最も軽くなります。

チームで競合情報を回す運用フロー。通知の受け取り、一次確認、社内共有、月次の振り返りの4工程と、それぞれの担当と頻度が示されている。
図:情報を個人技にしないための、チーム運用の型。

掲載の「質」をどう見るか

件数だけを追っていると、実態を見誤ります。同じ1件でも、価値はまったく違うからです。次の3つの観点で見ると、質の判断ができます。

転載か、独自取材か

プレスリリースがそのまま転載された記事と、記者が取材して書いた記事では、読者への届き方が違います。独自取材の記事が増えているなら、媒体との関係が育っている証拠です。

記録の際に「種別」の列を1つ足すだけで、この推移が追えるようになります。件数が横ばいでも、独自取材の比率が上がっていれば前進しています。

どんな文脈で取り上げられたか

単独の紹介記事なのか、業界の動向をまとめた記事の中の一社としてなのか。後者は、その市場のプレイヤーとして認識され始めたことを示します。営業やブランディングの観点では価値が高い掲載です。

読者層が自社の顧客と重なるか

大きな媒体に載っても、読者層がずれていれば事業への効果は限定的です。逆に、読者数が少なくても業界の意思決定者が読む媒体なら、1件の価値は高くなります。媒体名だけでなく、誰が読んでいるかで評価してください。

報告に使える形にまとめる

月次で報告する場合、次の構成にすると読まれやすくなります。網羅的な一覧を添付するより、要点を絞るほうが伝わります。

  1. 1今月の掲載件数(自社/主要競合それぞれ)
  2. 2主要な媒体での掲載を3件、タイトルとリンクで示す
  3. 3先月からの変化を1〜2行(増えた/減った、質が変わった)
  4. 4競合の動きで注目すべきものを1件
  5. 5来月に向けた提案を1行

件数だけを報告すると「多いのか少ないのか」が伝わりません。競合と並べる、前月と比べる、という相対的な見せ方をすると、判断材料として機能します。

ポイント

掲載件数は、目標にすると歪みます。数を稼ぐために価値の低い媒体への露出を増やしても、事業には効きません。件数は状況を示す参考値として扱い、質の変化を言葉で添えるほうが健全です。

競合との比較で見えてくること

自社の掲載だけを追っていても、それが多いのか少ないのか判断できません。競合を並べると、いくつかのことが読み取れます。

観察される状態考えられる背景自社の打ち手
競合の件数が急に増えた資金調達や新製品の発表があったその発表の内容を確認し、営業への影響を見る
競合が特定の媒体に繰り返し出ているその媒体と関係を築いている同じ媒体への接触を検討する
自社だけ独自取材が少ない記者との接点が不足している取材につながる企画や素材を用意する
業界全体で件数が落ちている季節要因、または話題の谷無理に出さず、次の波に合わせる
件数の絶対値より、競合との差と推移のほうが判断に使える。

この比較を毎月続ける必要はありません。四半期に一度、3か月分をまとめて見るくらいで傾向は掴めます。毎月やると作業になってしまい、気づきを得る時間がなくなります。

監視ツールの価格帯を4段の階段で示した図。無料、数百円、数千円、数万円以上の各段に、できることと向いている体制が書かれている。
図:監視ツールの価格帯と、それぞれの段でできること。

手段の選び分け

状況推奨する構成月額の目安
自社の掲載を把握したいだけ検索アラート+手作業の記録0円
自社と競合を継続的に追うリリース監視型SaaS+検索アラート0〜数百円
月次で網羅的に報告する義務があるWebクリッピング数千円〜
紙媒体の掲載報告も必要網羅型クリッピング数万円〜
報告の要件から逆算すると、必要な段が決まる。

掲載追跡の設定チェック

  • 自社名・サービス名・代表者名を監視対象に入れている
  • 競合名も同じ仕組みで登録している
  • 発表直後だけ確認の頻度を上げる運用にしている
  • 掲載を記録する項目(日付・媒体・URLなど)を決めている
  • 記録の場所がツール内か、書き出しで済む形になっている
  • 報告の要件(網羅か把握か)を依頼元と確認している

まとめ:網羅と把握を、混ぜない

掲載の追跡でコストが膨らむのは、たいてい「網羅」を目指したときです。報告の要件が「主要な媒体での掲載を把握する」で足りるなら、無料の手段と月数百円のツールで実務は回ります。

まず要件を確認し、そのうえで必要な段を選ぶ。この順番なら、過剰な投資も、報告に穴が空く事態も避けられます。料金の相場はクリッピングサービスの料金相場と選び方、レポート作成の効率化は広報レポート作成を楽にするツールにまとめています。

よくある質問

Q. 掲載記事が削除されてしまいました。証跡はどう残せばいいですか?

A. 気づいた時点でスクリーンショットとPDF保存をしておくのが確実です。掲載直後に保存する運用を決めておくと、あとで困りません。クリッピングサービスの中には、記事本文を保管してくれるものもあります。

Q. 競合の掲載件数は、どこまで正確に把握できますか?

A. 完全には把握できません。使っているツールの対象媒体の範囲内での件数になります。絶対数より、月ごとの推移や傾向を見る指標として扱うのが現実的です。

Q. 自社名が一般的な単語で、ノイズが多くて困っています。

A. サービス名や代表者名との組み合わせで監視する、業種名を加える、といった絞り込みが有効です。それでも改善しない場合は、目視で仕分けをしてくれるクリッピングサービスの価値が相対的に高くなります。

Q. 掲載実績を営業資料に使うとき、注意することはありますか?

A. 媒体名とタイトル、掲載日を正確に記載してください。古い掲載を最新のように見せると信頼を損ないます。また、媒体によっては転載や引用に条件があるため、ロゴやタイトルの利用可否を確認しておくと安心です。

Q. 競合の掲載を追うことは、法的に問題ありませんか?

A. 公開されている記事を閲覧・記録すること自体は通常の情報収集の範囲です。ただし、記事本文をそのまま社内資料に転載する場合は著作権への配慮が必要です。リンクと要約に留めるのが安全な運用です。

Q. 掲載の把握は、どのくらいの頻度で確認すべきですか?

A. 通常は朝の通知を確認するだけで足ります。自社が発表を出した直後の3日間だけ、頻度を上げてください。それ以外の期間に高頻度で確認しても、拾えるものはほとんど変わりません。

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