広報・PR2026年7月24日

プレスリリースのタイミングを決める他社動向の見方|曜日・時間帯の調べ方

プレスリリースの配信タイミングを決めるために、他社の動向をどう調べるかを解説します。曜日・時間帯の傾向をデータで確認する方法、競合の発表とぶつからないための監視、避けるべき時期の判断基準をまとめました。

著者:商陣編集部

プレスリリースをいつ出すか。定番の答えは「火曜から木曜の午前中」ですが、これは一般論であって、自社の業界に当てはまるとは限りません。むしろ、その時間帯は他社の発表が集中して埋もれる可能性もあります。

この記事では、配信タイミングを一般論ではなく他社の実際の動向から決める方法を整理します。曜日・時間帯の傾向をどう調べるか、競合の発表とぶつからないためにどう監視するかが中心です。

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「火曜〜木曜の午前」は本当に正しいのか

この定番の答えには、それなりの根拠があります。月曜は週初の会議で記者が忙しく、金曜は週末をまたぐと話題が流れる。だから中日の午前中がいい、という理屈です。

ただ、この理屈は全員が知っています。結果として、その時間帯に発表が集中します。件数の多い日に出すことは、埋もれるリスクを引き受けることでもあります。

つまり、判断材料として必要なのは「一般的に良いとされる時間」ではなく「自分の業界で、実際にいつ何件出ているか」です。ここは調べれば分かります。

通知設計の3パターン比較。リアルタイム通知、朝まとめ通知、ダッシュボード確認のそれぞれについて、気づく速さ、読まれやすさ、埋もれるリスクが比較されている。
図:通知の届け方3パターン。速さと読まれやすさはトレードオフになる。

タイミングの前に確認すべきこと

配信時刻を検討する前に、そもそも準備が整っているかを確認してください。ここが抜けていると、良い時間に出しても成果につながりません。

問い合わせ先が機能しているか

リリースを見た記者や見込み顧客が連絡してくる可能性があります。問い合わせ先のメールアドレスが監視されているか、当日に対応できる人がいるかを確認してください。返信が3日後になると、機会を逃します。

営業が内容を把握しているか

発表を見た顧客から営業に質問が来ることがあります。営業が内容を知らない状態は、信頼を損ないます。配信の前日までに社内共有を済ませておいてください。

掲載を拾う仕組みができているか

配信後の転載や報道を把握できないと、その発表の効果が分かりません。自社名の監視を設定しておき、発表週だけ通知の頻度を上げる準備をしておきます。

競合情報が手元に届くまでの流れ。収集、集約、通知、共有の4ステップが左から右に並び、それぞれ手作業でやる場合とツールに任せる場合の違いが示されている。
図:競合情報が届くまでの4ステップ。どこを手作業で持つかで、続くかどうかが決まる。

他社の配信タイミングを調べる方法

方法1:配信サイトで手作業で数える

自分の業界のカテゴリを開き、直近1か月の発表を曜日と時間帯で数える方法です。費用はかかりませんが、100件を超えると集計だけで数時間かかります。

一度だけやってみる価値はあります。傾向を掴んでしまえば、しばらくは同じ前提で判断できるからです。年に1〜2回の更新で足ります。

方法2:監視ツールの集計機能を使う

リリース監視型のツールの中には、集めた発表を曜日別・時間帯別に集計して表示するものがあります。競合やカテゴリを登録しておけば、集計は自動で溜まっていきます。

手作業と違って継続的に更新されるので、季節による変動も見えてきます。年度末や決算期に発表が集中する業界なら、その傾向も掴めます。

方法3:競合数社に絞って個別に見る

業界全体ではなく、特に意識している競合3社の発表履歴だけを見る方法です。その企業のリリース一覧ページを開き、過去1年分の日付を並べるだけで、発表の周期や好む曜日が見えてきます。

商陣が開発しているリアンカーには、集めた発表を曜日別・時間帯別に表示するダッシュボードがあります。競合やカテゴリを登録しておくと、日々の通知を受け取りながら、配信タイミングの判断材料も溜まっていきます。

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調べた傾向をどう使うか

データが出たら、次の3つの観点で判断します。

件数が少ない時間帯を狙う

同じ露出を狙うなら、競合が少ない時間のほうが目立ちます。業界全体の集中時間が分かったら、その前後30分〜1時間をずらすだけでも効果があることがあります。

ただし、極端に外すのは逆効果です。深夜や休日は記者が見ていないので、話題として拾われる確率が下がります。あくまで業務時間内でのずらしに留めてください。

競合の発表とぶつからない

同じ日に競合が大きな発表をすると、注目がそちらに集まります。完全に避けることはできませんが、監視ツールで前日までの動きを見ておくと、当日の朝に判断を変える余地が生まれます。

状況対応の選択肢
同日に競合が大型の発表をした翌日以降にずらす。急ぎでなければ数日待つ
業界全体の件数が多い日時間帯をずらすか、翌日の午前に回す
大きな社会的ニュースがある日延期を検討。埋もれる可能性が高い
自社の発表が緊急・時限的予定どおり出す。タイミングより確実性を優先
ずらせるものはずらし、ずらせないものは予定どおり出す。判断の基準を先に決めておく。

業界特有の周期を把握する

業界によっては、決算発表の時期、展示会の直前、年度替わりなどに発表が集中します。この周期が分かっていれば、意図的に外すことも、あえて波に乗ることも選べます。

ポイント

タイミングの最適化で得られる効果は、内容の質に比べれば小さいものです。発表を1週間遅らせて完璧な時間を狙うより、内容を磨いて予定どおり出すほうが成果につながることのほうが多いと考えておいてください。

発表の種類でタイミングの考え方が変わる

すべての発表に同じ基準を当てる必要はありません。種類によって、タイミングの重要度が違います。

発表の種類タイミングの重要度考え方
資金調達高い報道につながりやすい。他社の大型発表と重ねない
新サービス・新機能商談で使うため、営業の準備が整った日に合わせる
業務提携相手企業の都合が優先されることが多い
導入事例低い話題性より継続的な発信量が効く。定期配信でよい
人事・組織変更低い適時性が求められる。ずらす余地が小さい
不具合・お詫び最優先で即時遅らせるほど問題が大きくなる
ずらす価値がある発表と、そうでない発表を分けて考える。

この表で「低い」に当たる発表は、タイミングの検討に時間をかけないほうが効率的です。定期的に出すこと自体が価値になるので、決まった曜日に配信する運用にしてしまうのも手です。

定期配信という選択肢

導入事例や活動報告のような発表は、毎月第2火曜日といった形で日を固定してしまうと、社内の準備も進めやすくなります。毎回タイミングを検討する手間がなくなり、発信の頻度も安定します。

避けたほうがいい時期

逆に、明確に避けたほうがいいタイミングもあります。

  • 大型連休の直前と最中記者も読者も動いておらず、連休明けには古い話題になります。
  • 年末年始12月下旬から1月上旬は、よほどの内容でないと拾われません。
  • 大きな社会的ニュースの直後注目が集中している時期に出すと、まず埋もれます。
  • 自社の別の発表と近接する日同じ企業の発表が続くと、片方の印象が薄まります。

このうち最後の項目は見落とされがちです。社内の別部門が同じ週に発表を予定していないか、事前に確認しておくと無駄な共食いを避けられます。

チームで競合情報を回す運用フロー。通知の受け取り、一次確認、社内共有、月次の振り返りの4工程と、それぞれの担当と頻度が示されている。
図:情報を個人技にしないための、チーム運用の型。

配信前のチェック手順

発表の前日から当日にかけて、次の順で確認すると判断を誤りません。

  1. 1前日:競合の発表が予告されていないかを確認する
  2. 2前日:業界全体の発表件数が多い日でないかを確認する
  3. 3当日朝:監視ツールの通知で、当日の他社の発表を確認する
  4. 4当日朝:大きな社会的ニュースが出ていないかを確認する
  5. 5問題なければ配信、ぶつかりそうなら翌日以降にずらす

配信タイミングの判断チェック

  • 自社の業界の曜日別・時間帯別の傾向を把握している
  • 主要な競合3社の発表の周期を確認した
  • 当日の他社の発表を朝に確認する手順がある
  • ずらせる発表とずらせない発表を区別している
  • 社内の別部門の発表予定と重なっていない
  • 避けるべき時期(連休、年末年始)を外している

タイミングの効果をどう検証するか

調整した結果が良かったのかどうかは、記録がないと分かりません。難しい分析は不要で、次の3つを残しておけば判断できます。

配信日時と転載件数を並べる

発表ごとに、配信した曜日・時刻と、その後1週間の転載・報道の件数を記録します。5〜10件も溜まれば、自社にとって反応が良い時間帯の傾向が見えてきます。

件数だけでは内容の差を無視することになるので、発表の種類も一緒に残してください。資金調達と導入事例では、そもそも反応の規模が違います。

同じ日の他社の発表数も記録する

反応が薄かった発表について、その日に業界全体で何件出ていたかを記録しておくと、内容の問題なのか競合過多だったのかを切り分けられます。監視ツールの集計機能があれば、この確認は数分で済みます。

1年に1回だけ振り返る

毎回検証すると作業になってしまいます。年に1回、1年分をまとめて見返し、次の1年の方針を決める程度で十分です。傾向は年単位でしか動かないので、それ以上の頻度で見ても得るものは多くありません。

まとめ:一般論ではなく、自分の業界のデータで決める

配信タイミングの定番の答えは出発点にはなりますが、そのまま従うと他社と同じ時間に発表が集中します。自分の業界で実際にいつ何件出ているかを一度調べておくと、判断の質が変わります。

そのうえで、当日の他社の動きを朝に確認できる仕組みがあると、ぶつかりを避ける余地が生まれます。監視ツールの選び方はプレスリリース監視ツールおすすめ、掲載結果の追い方は自社・競合の掲載記事をまとめて追う方法にまとめています。

よくある質問

Q. 配信時刻は何時が最適ですか?

A. 業界によって変わるため一概には言えません。一般には午前10時前後が多く選ばれますが、その時間に集中するということでもあります。自分の業界の集計を見て、件数が少なく、かつ業務時間内である時間帯を選ぶのが実務的です。

Q. 競合と同日に発表してしまった場合、どうすればいいですか?

A. すでに配信済みなら、追加の露出施策で補うのが現実的です。SNSでの発信、メールマガジン、営業からの個別案内など、配信サイト以外の経路を厚くしてください。次回に向けて、当日朝の確認手順を運用に加えておきます。

Q. タイミングを気にするより、内容を優先すべきですか?

A. 基本的にはそのとおりです。タイミングの調整で得られる効果は限定的で、内容の質や情報の新規性のほうがはるかに大きく影響します。ずらすコストが小さいときだけ調整する、という優先順位で十分です。

Q. 海外向けにも発表する場合、時差はどう考えればいいですか?

A. 現地の業務時間に合わせるのが基本です。国内と同時に出すと、現地では深夜になり見られません。国内向けと海外向けで配信を分け、それぞれの現地時間の午前に合わせる形が扱いやすくなります。

Q. 月末や期末の発表は避けたほうがいいですか?

A. 業界によります。決算発表が集中する時期は、記者の関心がそちらに向くため埋もれやすくなります。一方、年度の切り替わりに合わせた発表は文脈が伝わりやすいという利点もあります。自分の業界の集計を見て判断してください。

Q. 曜日別の集計は、どのくらいの期間分あれば傾向が分かりますか?

A. 3か月分あれば大まかな傾向は掴めます。ただし季節変動があるため、可能なら1年分を見てください。監視ツールで自動的に溜まる形にしておくと、時間が経つほど精度が上がります。

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